乳がん手術後の人工乳房に保険適用
2021年4月19日
自費診療ではこれまで100万円ほどかかっていた患者負担が、大きく軽減されます。
仮に保険が使えれば、年収約200万~約800万円の場合、月額の自己負担上限は約8万円程度で済みます。
日本では、年間約9万人が乳がんを発症しますが、そのうち約2万人が乳房全摘手術を受けています。
乳房再建には、①お腹や背中の筋肉や脂肪、皮膚を移植する方法(自家再建)と、②人工乳房を使う方法があります。 以前は、自家再建のみが保険適用でした。
自家再建の利点は、自然の温かみがあり費用が安いことですが、欠点として健康な部分に大きくメスを入れるので体の負担が大きくなることです。
これに対して、人工乳房の利点は、体の他の部分を傷つけなくて済み、熟練した形成外科医なら美しく乳房の形を作りやすいことです。 欠点は、異物であるためシリコンを冷たく感じることです。
人工乳房には課題もあります。 以前から保険で認められている、自分の腹部などの筋肉や脂肪を移植する手術と比べると、傷が小さく入院期間も短くて済みますが、感染症になったり、周辺の乳房組織が硬くなったりする恐れがあります。 必ずしも、患者様の期待通りの形にならないこともあります。