最新の乳がんの動向

最近の日本での乳がん罹患数(新たに乳がんと診断される数)は、年々増えており、ここ30年あまりで5倍以上に増加して、1年間に女性がかかる全てのがんの中で1位となって約10万人にまで近づきつつあります。   

毎年およそ1万5千人以上の方が、乳がんで亡くなっています。
しかも、生涯のうちに乳がんにかかる人は1996年には30人に1人と言われていましたが、2019年に日本で乳がんと新たに診断されたのは97,142人で、最新のデータでは8人に1人となって更に増えています。

一方、乳がんによる死亡は、増加は比較的緩やかで4~5人に1人と低く抑えられています。 これは、①検診による早期発見、②効果的な新薬の使用、③乳がんのタイプ別治療法の確立などで予後が改善されたことが考えられます。

乳がんの年齢分布は、20代後半から徐々に増え始め、閉経前後の45~49歳でピークとなっています。

食事をはじめとした欧米化された現代人のライフスタイルが大きな原因として考えられるため、予防することが難しく、患者の数は今後さらに増加すると予想されています。

ただ幸いなことに、乳がんはからだの表面近くにできるため、比較的自分で発見しやすいがんです。

早い段階で乳がんを発見することができれば、乳房を失うことなく、小さな手術で治療することも可能となっています。