SYMPTOMS OF THE BREAST乳がんの症状について
- 乳がんとは乳腺にできる悪性腫瘍で、初期の乳がんは自覚症状がほとんどありません。
乳腺の中にできたひとつのがん細胞が分裂・増殖を繰り返し、1mmの大きさになるには5年、手で触って確認できる1~2cmになるには7~8年もの歳月がかかります。
そのまま放置してしまうと、がん細胞は乳腺だけにとどまらず、わきの下のリンパ節、骨など全身に広がる恐れがあります。
定期検診、乳房に変化を感じたそのときに医療機関を受診することが、早期発見に繋がります。 - 大阪市内の乳がん検診・乳腺外科の専門機関として乳がんの早期発見・早期治療を目指して努力しております。マンモグラフィや乳腺エコーなどでがんの状態を調べた上で、患者さんに適した手術などの治療方法を選びます。
- 大阪市の乳腺外科の中において、当院は日本乳癌学会の関連認定施設です。梅田、本町、難波(なんば)、鶴橋、天王寺、奈良からもアクセスし易く、乳がん検診、乳腺疾患、乳がんの治療で訪れる患者さんを診療しています。
しこり
「しこり」=「乳がん」ではありません。
乳腺症など別の病気でもしこりがみられ、しこりの約90%が良性といわれています。 良性のしこりは弾力性があり手で触ったときに動く傾向があり、一方、乳がんのしこりは硬く手で触ってもあまり動かないのが特徴ですが、感触で自己判断してしまうのは禁物です。
痛み・はれ
女性ホルモンの影響を受け、月経前、月経中に乳房の痛みやはれを感じるのはよくあることです。 月経周期に関係なく長期にわたって痛みやはれを感じる場合は、病気が関与している疑いがあります。
乳頭分泌
妊娠・授乳期以外の場合でも、乳頭から分泌物が出る場合があります。 乳腺症、乳腺炎、乳管内乳頭腫などで症状がみられ、最も多いのは乳管内乳頭腫と呼ばれる良性腫瘍によるものです。通常はサラサラとした透明・白色の液体ですが、少量の血が混ざる場合もあります。 黒っぽい血や鮮血が混ざる場合は、乳がんの疑いがあるため精密検査を受けましょう。
DEVELOPMENT AND METASTASIS乳がんの発生と転移
- ひとつの細胞がしこりとなって転移するまでを考えてみましょう。
- 乳がんの発生と転移 がん細胞は、正常の細胞が何かのきっかけで変異を起こし、異常に増殖する細胞に変化したものです。 乳腺の中にできたひとつのがん細胞が分裂・増殖を繰り返し、1mmの大きさになるのに5年、1~2cmの手に触れる大きさになるのに7~8年の歳月がかかるとされています。
- 1~2cmの大きさの腫瘍のがん細胞は1億個を超えるとされ、放置すると、急激に増殖していきます。がん細胞の増殖とともにリンパ管や血管にがん細胞が入り込み、リンパ節や他の臓器への転移を起こすようになります。
乳がんは、乳腺にできる悪性腫瘍
乳がんは、乳房の中にある乳腺(母乳をつくるところ)にできる悪性腫瘍です。乳腺は、母乳を生産する「小葉」と、母乳を乳頭まで運ぶ「乳管」に分けられます。乳がんの多くは、「乳管」を構成する細胞から発生します。
初期のうちは無症状
- 初期の乳がんでは、食欲がなかったり体調が悪くなるといった全身症状はほとんど ありません。このため、唯一の手がかりともいえる乳房の変化を放置していると、がん細胞は増殖し、乳腺だけにとどまらず、わきの下のリンパ節や肺、骨など全身に広がり、命を脅かすことになってしまいます。
- 乳がんについての正しい知識を身につければ、がんを恐れることなく、健康な毎日を送ることができるでしょう。
CANCER「非浸潤がん」と「浸潤がん」
- 乳がんは大きく非浸潤がんと浸潤がんに分かれます。
普通のしこりとして触れる乳がんのほとんどは浸潤がんです。 - 非浸潤がんは、乳管や小葉の中にとどまるので、外側との境界となる基底膜を破っていないがんです。
そのため周辺の組織に浸潤したり広がったりはしないので、血液やリンパの流れにのって転移しないのです。 - これはしこりを生検(組織診検査)したり、手術後の病理検査をすることによってわかります。
非浸潤がんはこのように転移しないがんで、しこりとして触れない早期の段階のがんで乳頭分泌や画像検査でみつかる場合が多くなっています。 - しかし、手術前に非浸潤がんと診断されても手術後の詳細な病理検査でごく一部に浸潤がんが認められる場合があります。
- また、非浸潤がんが未治癒で放置された場合、やがては浸潤がんに移行すると言われています。
日本では非浸潤がんは乳がんの約10%で、マンモグラフィでの検診が進んだ欧米では20%を超えています。 - 非浸潤がんは乳腺を全部摘出すれば再発の可能性はゼロに近くなるため治療は乳房全摘が標準治療ですが、病変の広がりがない限局型の場合は乳房温存手術の適応となっています。
- 非浸潤がんは、その大きさにかかわらず、手術で切除すればほぼ完全に治り、リンパ節をとる必要もなく、抗がん剤治療も不要です。 本当の意味での早期がんと言えます。
非浸潤がん
がんは乳管・小葉内にとどまっている(初期のがん)
浸潤がん
がんは血管・リンパ管に浸潤し広がっている(転移の可能性あり)